M&Aディールは一発当てると大きい

投資銀行のM&A担当者には、日銭(安定的な収入)を稼ぐ術がない。M&Aというのは頻繁に起きるものではない。しかし、一発当てればその収益は大きい。だから、投資銀行は獲物(ディール)を求めてさまよっている。


インベストメントバンカーの業務

アメリカの2010年代の10倍株の銘柄ランキングです。2009年の年末と、2019年の株価を比較しています。1位はドミノ・ピザの37倍。2位のネットフリックス(Netflix)を上回る急成長(大化け)となりました。3位は業務用掃除機のEVIインダストリーズです。

インベストメントバンカーの中のインベストメントバンカーといえば、投資銀行のM&A担当者だ。M&A担当者の主な業務は以下の通りだ。

  • ・合併や買収に必要な巨額の資金調達手法を提案する。
  • ・契約に必要な専門家の選定について助言する。

M&A担当者の取り分(インセンティブ)

投資銀行マンのボーナス(インセンティブと呼ばれる)は、投資銀行が得た利益の何パーセントということで決まる。歩合制だ。投資銀行のスタッフの中でもM&A担当者の取り分が最も多い。数千万ドルのインセンティブを得る者もいる。個人の才覚に左右される部分が大きいのだ。

経営陣に食い込む

実際、有能なM&Aマンというのは、個人の力で業種・会社に深く食い込む。経営陣との関係を密にする。それを元に商売を取ってくる。そういうパターンが多い。

いうまでもなく会社の売買は、非常に複雑な取引だ。成功するためには、以下の専門家の協力が必要になる。

  • ・弁護士
  • ・税理士
  • ・会計士
  • ・アナリスト

しかしながら、最初の一歩を掴んだM&A担当者がその果実の一番大きいところを獲得する。